「どこの会社も同じ」それって本当?

仕事柄、SIerに所属されている方々とお話する機会が多いのですが、大手所属の方からよく伺うのが次のような言葉です。
「どこの会社に行っても、やることは同じでしょ?だったら移る意味なんてない。」
たしかに、大手SIer同士では、組織構造や顧客層、仕事内容、待遇などが似通っている部分もあります。しかし、それが「ほぼ同じ」というのは本当でしょうか?
実は、少し掘り下げて比較してみると、驚くほどの違いが見えてくるものです。たとえば、社風の違い。商社の世界には「人の三井、組織の三菱、結束の住友」という言葉がありますが、SIer業界でも似たような特徴が存在します。
大規模なシステム開発プロジェクトでは、関与する人数が1,000人を超えることもあります。そのような環境下で、どのようなチーム構成や社内文化のもとで仕事を進めるかによって、動きやすさや成果物の質には大きな差が生まれます。
他にも事業戦略の注力領域、グループの本業との距離感、さらにスペシャリストライン(非マネジメント職)の位置づけやキャリアパスの設計も企業によってずいぶん異なります。
こうした違いを見逃してしまうと、キャリアの選択肢を狭めてしまう可能性があります。
自社のことは詳しくても、外の世界はどうでしょう?我々がお声がけ差し上げる方は皆様優秀で、評価も厚く、会社内でのポジションも確立されている方が多いでしょう。そのため、新卒から同じ会社で働き続けている方も少なくありません。
自社のことについては熟知していても、外の世界については正確に把握するのが難しい部分もあると思います。私自身も同業界内で転職を経験しましたが、移って初めて知った違いや魅力は枚挙にいとまがありません。新しい環境に身を置くことで、自分の能力を最大限に発揮できる場所が見つかることもあります。
人生100年時代と言われる今、40代はまだ折り返し地点に過ぎません。果たして、現在の会社が、あなたが輝ける場所だと自信を持って言い切れるでしょうか?
もし言い切れないのであれば、まずは外の環境を知り、比較し、検討することが必要です。比べた結果、現職がベストだと確信できるのであれば、その選択にさらに自信が持てるはずです。比較せずに残り続けた場合と比べて、より一層仕事に身が入ることでしょう。
定期的なキャリアの棚卸しと方向性の見直しは、今後の長いキャリアを考える上で欠かせないプロセスです。ただ忙しい毎日の中で、自ら意識してそれを実行するのは難しいかもしれない。私自身もそうです。
だからこそ、もし何かきっかけになるような出来事があれば、「これも一つのタイミング」と考え、少し立ち止まって深堀してみることをお勧めします。我々でよろしければ、ぜひそのお手伝いをさせてくださいませ。