角度を変えて見つめるキャリアの価値

皆さんは、自分自身や周囲の人の価値をどのように見つめていますか?
転職活動やキャリアを考えるとき、「自分にはどんな魅力があるのだろう」「過去の経験は強みになるのだろうか」と不安や疑問を感じる方も多いと思います。実は、ほんの少し視点を変えるだけで、今まで気づかなかった自分の新たな一面や可能性が見えてくることがあります。
学生時代、私は割烹料理店でアルバイトをしていました。出勤後のはじめの作業として、木のカウンターをやすりで磨く作業をしていました。
一見すると綺麗で滑らかに見える木のカウンターも、角度を変えてじっと見つめると、小さな傷や油のシミが浮かび上がることがありました。逆に、「あそこに傷がある」と思い込んで近づいてみると、実際にはその場所が分からなくなってしまうこともありました。
また、お客様によっても、同じカウンターへの評価は異なります。ある人は「この木目が味があって良い」と言いますが、別の人は「もっと磨いた方が良い」と言います。見方や立場が変われば、欠点も長所も全く違って見えるのだと気付きました。
この経験は、転職エージェントとして多くの方とキャリアについてお話しする今も、私の根底に強く残っています。人の経歴やスキル、個性も、まるで木のカウンターのように、見る角度によって印象が大きく変わります。
履歴書や職務経歴書だけでは分からない、その人ならではの魅力や、これまでの経験が生み出す味わい深さは、短時間の面談だけでは見抜けないこともあります。だからこそ、私は一人一人とじっくり向き合い、さまざまな角度からその方の強みや可能性を探ることを心がけています。






