【質問リスト付き】オファー面談とは?目的や内容は?確認すべき5つのポイントを解説!

目次
オファー面談とは?
オファー面談とは、企業が内定候補者や内定承諾前後の求職者に対して行う、互いの認識すり合わせや入社にあたっての確認を行う重要な面談です。本項では、オファー面談とはどのような場で、何を目的として実施されるのか解説していきます。
なお前提として、オファー面談は実施のタイミングや趣旨が企業によって異なります(詳しくは後述)。本項では、一番多いケースである【内定後、求職者側が内定承諾を行う前に実施される面談】を想定して記述しております。
実施の目的とは?
オファー面談の実施目的は企業と求職者で異なりますが、双方に共通するのは【ミスマッチの防止】です。
企業側からすれば、せっかく入社してくれる求職者が早期に退職する事態を防ぐべく、企業文化や業務内容、条件について説明の上合意形成を図ります。また求職者側からしても、企業からのオファー内容を詳細に確認し、自分の条件や希望に合致しているかを見極める目的があります。これ以外の観点では、企業側にとっては欲しい人材に確実に内定承諾してもらうための魅力付けの場とも言えるでしょう。
何を話す?
オファー面談では、まず企業側から【内定通知書】や【労働条件通知書】をもとに具体的なオファー内容が提示されます。給与やボーナス、福利厚生、勤務時間、勤務地、業務内容などが詳細に説明されることが一般的です。求職者はこれらの情報を基に、疑問点や不明点を質問し、納得のいく回答を得ることが重要です。
諸条件の確認以外には、例えば他に受けている会社の選考状況や内定承諾の回答期限、入社の温度感等の話題を企業から切り出されることも多いため、準備した上で臨むと良いでしょう。
面接との違い
オファー面談は、これまでの採用面接とは異なり、最終的な条件確認や合意を目的とした面談です。採用面接では、求職者のスキルや経験、人柄を評価するための質問が中心ですが、オファー面談では具体的な条件や待遇についての話が中心となります。
これまでの堅苦しい面接とは異なるフランクな雰囲気で実施されることが多く、また選考要素がない面談であるケースが多いため、面接で聞きづらかった内容の質問がしやすい場でもあります。
オファー面談のタイミングは?内定前と内定後
オファー面談のタイミングは企業によって異なり、内定前に実施される場合もあれば、内定後に行われることもあります。このため、オファー面談の趣旨やタイミングを理解した上で臨むことが重要です。ここでは、内定前、内定後、内定承諾後に実施されるケースについて、それぞれの特徴と注意点を解説します。
内定前に実施されるケース
あまりケースとして多くはありませんが、オファー面談が内定前に行われることがあります。この場合は最終面接を終えたあとに企業から打診されることが多く、まだ内定が確定していない状況のため油断は禁物です。
企業側の心理としては「内定を出すか悩んでいる」状態が想定され、求職者が自社に適応できるかどうかを最終確認し、求職者の本音を探ることが主目的と言えます。このタイミングでは給与や待遇についての交渉の余地があるため、その回答内容次第ではNGを出される可能性も考慮しつつ、自分の希望を明確に伝えることが大切です。
内定後かつ内定承諾前に実施されるケース
内定後かつ内定承諾前に実施されるオファー面談、こちらが最も一般的なケースです。このタイミングでは、企業と求職者の最終的な条件確認が行われ、内容次第では交渉の余地もあります。例えば、「提示された給与や待遇が自分の希望と合致しているか」「勤務条件に納得できるか」などを確認することが重要です。
ここで注意すべきは【内定通知書】が提示されているか否かです。基本的に内定は確定していると考えて良いのですが、例えば内定通知書が提示されない場合、企業によっては【採用取り消し】という逃げ道を作っている可能性があります。なぜなら内定通知書は法的効力を持ち、求職者に提示した時点で取り消しが実質的に不可能になるためです。
後々のトラブルを避けるためにも、内定通知書の有無は事前に確認しておきましょう。
内定承諾後に実施されるケース
内定承諾後に実施されるオファー面談は、基本的に入社が決まっている状態で行われます。このケースでは入社後のフォローアップが主な目的となるため、【フォローアップ面談】のような呼び方をすることが多いです。
具体的には、入社前の不安を解消するための情報提供や、具体的な業務内容の説明、チームメンバーとの顔合わせなどが行われます。また、入社後の研修やサポート体制についても説明されることが多いです。
そもそもオファー面談を辞退しても良い?
オファー面談への参加を辞退することも可能ですが、できるだけ参加することをお勧めします。オファー面談に参加することで、企業との最終的な条件確認や不明点の解消ができ、入社後のミスマッチを防ぐことができます。また、企業側に対しても誠意を示すことができ、良好な関係を築くために有利です。もし参加しない場合は、事前に企業に対して丁寧に連絡を入れ、理由を説明することが重要です。
オファー面談で確認すべきこと、質問リスト
オファー面談では、入社後の後悔を避けるために、オファー内容をしっかりと確認・検討することが重要です。ここでは、オファー面談で確認すべきポイントと質問リストを紹介します。
ポイント①:業務内容・ミッション
まずは業務内容やミッションについて詳細に確認しましょう。内定通知書に記載されている内容だけでなく、実際の業務の具体的な内容や責任範囲についても詳しくすり合わせを行うと良いです。たとえば、プロジェクトの進め方や、チームメンバーとの役割分担、日常的な業務の流れなどについて質問することで、入社後のギャップを防ぐことができます。
また、企業が求める成果やミッションについても確認し、自分がその役割を果たせるかどうかを判断することも大切です。
ポイント②:給与・年収
給与や年収については、提示されたオファー条件を細かく確認する必要があります。特に、月収と賞与の割合や、賞与の例年の実績についてもヒアリングしましょう。
例えば、「提示された年収には賞与が含まれているか」「賞与の支給実績はどのくらいか」などの質問が有効です。また、交通費や住宅手当などの手当も確認し、総合的な収入についても把握しておきましょう。
ポイント③:昇給・評価
将来的な収入の見通しを立てるために、昇給や評価制度についても確認しましょう。具体的には、「昇給の頻度や基準はどうなっているか」「評価はどのように行われるか」「評価結果に基づく昇給や昇進のプロセスはどうなっているか」などの質問が適切です。
昇給率や評価の基準が明確になっているか否かは長期就労にかかわる重要な要素であり、曖昧な回答が返ってくる場合には気を付けたほうが良いかもしれません。
ポイント④:就業時間や働き方、転勤の有無
就業時間や働き方についても詳細に確認することが重要です。のちに触れる制度についても同じことが言えますが、例えば「リモートワーク可」と謳っている企業でも、制度上リモートワークが許可されているだけで、配属組織ではフル出社が当たり前だった、という落とし穴は往々にしてあります。
「現場のリモートワーク頻度はどれくらいか」「フレックスタイム制の実際の運用状況はどうか」「残業の平均時間はどれくらいか」「転勤を命じられる人は年間何名くらいいるのか」など、実際どうなのかという観点で色々質問してみると良いですね。
ポイント⑤:福利厚生・諸制度
福利厚生や諸制度についても確認しておくことが重要です。健康保険や厚生年金、各種手当、休暇制度など、企業が提供する福利厚生が自分にとってどの程度充実しているかを確認しましょう。
こちらも制度と運用状況は分けて考えるべきで、例えば、「有給休暇の取得状況」「産休・育休の取得実績」「研修や自己啓発支援制度の内容」などを質問することで、企業がどの程度従業員をサポートしているかを把握することができます。
【質問リスト】テンプレート
オファー面談で確認すべき項目をまとめた質問リストのテンプレートを用意しました。以下のリンクからExcelファイルをダウンロードし、自分の状況に合わせてカスタマイズしてください。このリストを活用することで、重要なポイントを漏らさずに確認することができます。
オファー面談に臨む上での注意点
オファー面談に参加する際には、いくつかの重要な注意点があります。ここでは、オファー面談に臨む際のスタンスや年収・条件の交渉に関する注意点、御礼メールの送り方について解説します。
臨む際のスタンス
オファー面談は基本的に企業側が自分のことを「採用したい」という前向きな気持ちで実施されます。そのため、貴重な機会を作って貰ったことへの感謝の気持ちを胸に臨みましょう。例えば服装一つとっても、内定が出ているからといって慢心せず、社会人らしいフォーマルな服装で参加することが推奨されます。
前述の通り、オファー面談とはいえ企業と求職者の対峙の場である以上、企業は求職者の一挙手一投足を見ています。カジュアルすぎる服装やリラックスしすぎた態度は避け、ビジネスにふさわしい服装と礼儀正しい態度で臨むことが求められます。また、質問に対しては真摯に答え、企業の期待に応えられる姿勢を示すことが大切です。
年収・条件の交渉
オファー面談では、年収や条件についての交渉が可能な場合があります。ただし、交渉の際には節度を持つことが重要です。
提示された条件に対して納得がいかない場合、まずはその条件提示となった背景を聞いてみると良いでしょう。また自分の希望を伝える際には、現実的な範囲で具体的な理由を添えて伝えることをお勧めいたします。あまりにも高い要求をした場合、企業側に悪い印象を与える可能性があることは自明です。
また、年収や条件の交渉に不安がある場合は、転職エージェントに相談することをお勧めします。プロフェッショナルバンクは20年間の転職支援実績をもとに、「企業からの印象を悪くしない」オファー金額の交渉術のお伝えはもちろん、代理交渉なども得意としております。
御礼メール
オファー面談後に御礼メールは必要なのでしょうか?結論、エージェントを介している場合は不要で、エージェントを介さない直接応募の場合は御礼メールの送付を推奨します。エージェントを利用している場合は御礼の旨を代わりに伝えてくれますが、そうでない場合にはビジネスマナーの観点からも簡単に御礼を伝えると良いでしょう。
以下は御礼メールの例文です。少しさっぱりとした内容なので、コピー&ペーストでそのまま使用するというよりは、オファー面談で聞いた情報や企業担当者の人柄等に触れ、オリジナリティのある内容にすることをお勧めいたします。
件名:オファー面談のお礼(氏名)
株式会社〇〇
〇〇様
お世話になっております。〇〇と申します。
本日はオファー面談の機会をいただき、誠にありがとうございました。
面談を通じて、貴社の業務内容や企業文化についてより深く理解することができました。
改めて貴社で働くことへの意欲が高まりました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
〇〇
このように、簡潔で丁寧な御礼メールを送ることで、企業に対する誠意を示すことができます。面談後はできるだけ早く、遅くとも翌日中には送信するように心掛けましょう。
オファー面談で落ちる/内定取り消しはあり得る?
「オファー面談はあくまでオファー内容のすり合わせの場」「選考要素は一切ない」と説明を受けることもあるかと思いますが、本当にそうなのでしょうか?プロフェッショナルバンクが20年間の転職支援を行ってきた中での実例をもとに、内定取り消しや落ちる可能性について解説します。
可能性はゼロではない
まず前提として、オファー面談を実施する前(特に内定の旨を伝えられていない状態)で、企業からNGを出されること可能性があることは周知のとおりです。それまでの面接等の結果を踏まえ、企業から内定可否の判断をされます。
そのうえでの結論として、【オファー面談後】に企業から「お見送り」をされる可能性もゼロではありません。前述の通りですが、厳密には「内定取り消し」という行為自体は正当な理由がない場合違法と見なされるため、内定通知書が既に出ているかどうかによっても状況は異なります。
いずれにせよ、企業側が求職者の態度や発言をしっかりと見ている場であることを理解しておくことが大切です。
実際に、オファー面談での求職者の態度を見てNGを出されたケースも存在します。例えば、面談の際に企業の方針や業務内容について否定的な意見を述べたり、内定が出ていることを盾に無理な条件交渉をする・高圧的な態度をとるといった不適切なコミュニケーションを行ったりした場合、それまでの面接での評価が覆ったこともありました。
あるいは、履歴書や職務経歴書に虚偽の記載が判明したり、求職者の健康状態に変化があったりした場合、客観的に合理的な理由としてお見送りの判断が下ることも。
ただ大前提として、内定が決定している=雇用契約が成立している状況のため、オファー面談で内定取り消しになるケースは極めて稀です。そこまで恐れる必要はありませんが、入社後に円満な関係を企業と築くためにも、企業に対するリスペクトを忘れず、誠実でプロフェッショナルな態度を心掛けましょう。
まとめ
今回は、オファー面談の目的や注意点、求職者側から企業に確認すべきことについて解説してきました。オファー面談は企業と求職者が対峙し、入社にあたっての認識すり合わせを行う貴重な機会です。企業の意図や確認すべきことを理解した上で、企業へのリスペクトをもって面談に臨むようにしましょう。
プロフェッショナルバンクの転職支援
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