ヘッドハンティング最前線~現役ヘッドハンターが語る~

変わりゆく日本の葬儀業界

2017年10月25日
担当
月井 絵美

日本の人口動向は、2016年の厚生労働省の人口動態統計の推移では、出生数が981,000人、死亡数が1,296,000人と上回っております。ちなみに、婚姻件数は621,000人とこちらもゆるやかなくだり坂のように減少しております。

死亡数が増えれば、葬儀も増えるといった単純なものではなく、時代の流れと共に、葬儀業界も変化しております。

まずは、葬儀を執り行う会場が変化しております。1999年には38.9%が自宅で葬儀を行っておりましたが、2014年には6.3%まで減少しており。葬儀専用式場は30.2%から81.8%と増加しています。(一般財団法人日本消費者協会「第10回葬儀についてのアンケート調査」より)
更に、葬儀形態、納骨スタイルも様々に変化しており、近年、メディアでも話題となった「お坊さん便」なるネットでお坊さんを手配するサービスもその一つと言えます。

葬儀社は、エリア毎の葬儀の風習を残しつつ、長年地域密着で葬儀を行う事業者が多い中、上記のような葬儀形態の変化を受けて、近年では、葬儀事業への新規参入企業も増えてきております。葬儀を行う事業者は、古くからのJA(農協)や冠婚葬祭互助会、葬祭専門業者、墓石会社、目新しいところでは量販店等でも請け負っております。

1996年には、厚生労働省の認定制度である「葬祭ディレクター」資格が誕生し、葬儀における様々な形態のメリット、デメリットを理解した上で、葬儀を取り仕切る役割から、遺族に寄り添った心のケアまで、遺族の期待に応えられる高いサービスができる人材が求められております。

葬儀業界人材の傾向として、比較的に年齢層の高い中途採用人材で運営されていることが多いことがあげられます。葬儀の仕事は、死を迎えた方へ儀式を持ってお送りし、遺族に配慮しながらの業務は究極のサービスと言われており、人柄や経験が重要な業界に特化した専門職人材です。

しかしながら、サービスの多様化により、業界で働く人材の確保は急務であり、若手にも目指してもらえる業界へと変化していかなければなりません。

ここ数年、葬儀業界からエンディング産業と言葉を変えて、葬儀業界の持つイメージの変換を図っております。フューネラルビジネス、エンディング展示会等で、供養女子コンテスト、納棺士コンテスト等を開催し、エンディング業界で働く人の仕事内容や、活躍を広く知っていただく場を設けて、若手人材の確保にも注力しております。
業界の取り組みや普及活動あって、ブライダルといった華やかな業界よりも、最近では、フューネラル業界を希望する若手人材も増えてきているようです。

目指してもらえる業界への転換、後進の人材育成には、葬儀業界の経験者であり、管理職としての素養を持ち合わせた人材が必要となってきます。
転職市場に露出のない業界の人材、特殊な業界へのアプローチは、ヘッドハンティングによる採用が有効であり、ご依頼されるケースは多々ございます。

高齢化社会により死亡者数は今後も増えていくといった見通しに安心することなく、生前から行う終活セミナーの開催、新形態の葬儀導入、遺族に寄り添うグリーフケアの充実等、企業の取り組む課題は多く、それを実行できる人材が必要とされております。

葬儀業界に関わる人たちは、人生の最後を送っていただく重要な仕事をされており、個人的には、簡潔化されていくことに寂しさも感じます。想いを同じくする経営者に出会い、ご縁あって移籍した際には、是非、未来に繋がるエンディング業界の人材を育ててほしいと願います。
(月井 絵美)

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