少し立ち止まる夏休み
猛暑が続き、いよいよ夏も本番。
「暑いですね」が挨拶なのか、もはや合言葉なのかわからない毎日ですが、そろそろ夏季休暇を取得される方も多いのではないでしょうか。
私は毎年8月になると、地元に帰ってお盆参りに行きます。恒例行事ですが、年齢を重ねるほど、その時間の意味が少しずつ変わってきたように感じています。
私は昔から、大の“おじいちゃんっ子”でした。お盆にお経を聞きながら手を合わせていると、自然と祖父との思い出がよみがえります。
山や川に連れて行ってもらって、夢中で遊んだこと。
家では絵本をたくさん読んでもらったこと。
そして、悪いことをした時には、きちんと叱られたこと。
今振り返ると、祖父はただ優しいだけではなく、ちゃんと人として大切なことを教えてくれていたんだなと思います。親友のようでもあり、遊びの師匠のようでもあり、何があっても受け止めてくれる大きな存在でもありました。改めて「偉大だったなあ」としみじみします。
そして最近は、祖父を思い出す時間が、そのまま自分自身を振り返る時間にもなっています。もし今、祖父と再会できたら、私は何と言われるだろう。そんなことを考えるのです。
人として、かっこいい生き方ができているだろうか。
父として、子どもにちゃんと向き合えているだろうか。
社会人として、仕事に追われるだけではなく、仕事そのものを楽しみながら、豊かに向き合えているだろうか。
正直、胸を張って「完璧です」とは言えません。むしろ、祖父の前に立ったら、少し背筋を伸ばしたくなる気がします。
大人になると、誰かに本気で叱られることも、まっすぐ期待されることも減っていきます。だからこそ、こうして自分の原点に触れる時間は、とても貴重です。
日々仕事をしていると、目の前の予定や数字、返信しなければいけないメールに追われて、立ち止まるタイミングをつい失ってしまいます。たまには仕事から少し離れて、自分自身を振り返る時間を持つのも悪くない、と。
昔の思い出をたどるでもいい。
大切な人のことを思い出すでもいい。
これまでの自分、これからの自分に、少しだけ目を向けてみる。そんな時間が、また次の一歩を軽くしてくれる気がします。
この文章を読んでくださっている皆さんも、きっと日々忙しくされているはずです。だからこそ、この夏はほんの少しだけ立ち止まってみませんか。
しっかり休む。
ちゃんと笑う。
そして、少しだけ自分を振り返る。
そんな夏休みも、きっといいものです。