プロねた。
Vol.090

人材を引き抜かれる会社

2014年10月20日
担当
福良 英基

「競争相手から社員を引き抜かれる会社が、社員を引き抜く会社に負けるわけがない。」
この言葉は、小松製作所の元社長で現相談役の坂根正弘氏のものだ。自社の社員が続々とヘッドハンティングされるような会社は、競合他社が喉から手が出るくらい優秀な人材がそろっているという証拠である。

とは言え、引き抜かれ過ぎるのも困りもの・・・という話が最近の日産自動車である。9月2日には、英高級自動車メーカー、アストン・マーチンが日産自動車のアンディ・パーマー副社長を最高経営責任者(CEO)に迎えると発表した。日経新聞によるとルノーを含めた主要な幹部の離脱はこの1年で4人にものぼり、「次は誰の番だ!?」といった雰囲気が社内には漂っているそうだ。

また、興味深いのは、副社長のアンディ氏が報道のあったその日の午後には本社執務室から立ち去ったというウワサである。まるでハリウッドのビジネス映画さながらではないか。それもそのはずで、日産自動車の上位100の役職のうち48%が外国人であり、働く側の意識も欧米(多国籍)化している。そもそもヘッドハンティングされて入社した主要人材も多いだろうから、再びヘッドハンティングされて日産を去っていくのは何ら不思議ではない。

グローバルに活躍する”ひと握りのビジネストップタレント”は、自身が会社を移籍すること自体がビジネスだと捉えている場合が多い。自分のキャリアの為に、最も良い引き際はいつか?という意識を常に持ち、1~2年の契約で仕事を依頼されことがほとんどな為、その1~2年単位でより巨額の報酬で面白い仕事を用意する企業へ移籍することは自然なことである。サラリーマンの感覚とは全く異なり、プロスポーツ選手の世界に近い感覚なのである。

「競争相手から社員を引き抜かれる会社が、社員を引き抜く会社に負けるわけがない。」と言いながら、世界中から優秀な人材ばかりを集めていると、「他社に引き抜かれてしまう!」というリスクとも向き合わなくてはいけないからトップは気が抜けない。

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