プロねた。
Vol.069

高額報酬

2012年06月26日
担当
福良 英基

ヘッドハンティグの現場では移籍先となる企業から受取る報酬が”いくらか?”によって成約に至るかどうかを左右することも多い。3期連続の増益を達成した日産自動車は、更なる戦力強化の為に独アウディ米国法人社長を高級車部門担当の常務執行役員として引き抜いた。ゴーン社長はこれに関連し、「報酬が低ければノーと言われた」と指摘している。ゴーン社長といえば2012年3月期の報酬総額が9億8700万円であり、これを鑑みると新執行役員の報酬も億は下らないはずである。

日本人は”報酬”に関してデリケートである。転職者が新たな企業探しをする際に条件としてあげるものは、おおむね「経営(者)」・「業界」・「将来性」といった会社に紐付くものと、「業務内容」・「ポジション」・「報酬」といった個人に関わるものであるが、日本人が本音で希望を言いづらい要素が「報酬」である。”高いに越したことは無い”と思いながらも、据え置かないと「貪欲」に映ってしまうという懸念があるからである。

ゴーン社長は、自身を含む幹部の高額報酬を「人材確保の手段」と明言する一方で、高額報酬を受け取ることは「恥と思う必要はない」と強調している。経営危機から会社を再建し、なお利益を生み続ける企業のトップは、トヨタの取締役27人分の報酬を一人で上回ることになった。そして、自らの手腕で創業以来、初めてトヨタの営業利益を抜いた。報酬と生み出した価値の間に差がなければ、それが評価で貪欲とは異なる。

ただ、その評価の基準は会社によりけりであることに差が生まれる。本当に優秀な人材の”沌欲ではない希望”を受け入れる日本の企業はまだまだ少ない。人材獲得がグローバル化する世界で高額報酬を「人材確保の手段」と思えない企業は、国際的な人材獲得競争では勝つことは難しい。

トップへ戻る