人的資本経営とは?開示項目や実現に向けた取り組みを紹介

世界中で中長期的に企業価値を向上させるために、「人的資本経営」の実現の必要性が高まっています。実際に人的資本経営を始めたくても、どう取り組むべきか頭を抱えている企業も増えています。

本記事では、人的資本経営の本質や注目を集めている背景、従来の経営との違いを紹介します。そのほか、人的資本経営で必要な取り組みや既に導入した企業の具体例についてもみていきましょう。

人的資本経営とは?


人的資本経営とは、人材を資本として捉え、人材それぞれの価値を引き出し、中長期的な企業価値の持続的向上につなげる経営スタイルの1つです。人的資本経営では、人材の持つ能力や知識、経験をコストや資源としてではなく、企業戦略における投資対象の資源とみなします。

人材を重視する経営の重要性は長く説かれてきましたが、近年は経済産業省で人的資本経営コンソーシアムが設立されるなど、とくに注目が高まっています。

従来の経営スタイルと人的資本経営の比較

現在注目されている人的資本経営は、新しい考え方ではなく、「人を大事にする」という従来までの経営とほぼ同義であり、これまでの経営スタイルの延長線上にあるといえます。ただし近年、少子高齢化や産業構造の急激な変化、働き方改革など企業・個人を取り巻く環境は急激に変化しており、従来の経営で目指した企業の姿を目標とするものではありません。

たとえば、「人材マネジメントの目的」なら人材を資源として管理するものから、資本として価値を創造するものとして捉えることや、「人材マネジメントの主導権」を人事部任せのものから、経営戦略と紐づけやすい経営陣や取締役会に移行することなどに違いがあります。

人的資本経営が求められている背景


それでは人的資本経営が注目されている背景には何があるのでしょうか。ここでは、人的資本経営の注目度がなぜ上がっているのか、その背景や世界の大きな流れについてみていきます。

企業外からの人的資本情報の開示要請の高まり

人的資本経営が求められるようになった大きな要因として、企業に対する人的資本情報の開示を求める動きが、世界的に高まっていることが挙げられます。

これは、モノよりも知識や情報など実態のないものが価値を生み出す現代において、企業の価値もその9割が無形資産となっていることが原因です。企業の有形資産を見ても今後の成長や将来性を判断できないため、投資家たちの間では企業の無形資産、つまり人的資本を把握したいという欲求が強まりました。企業としては、いかに自社の無形資産を可視化し、ステークホルダーに分かりやすく伝えるかが課題となっています。

企業内の人材・働き方の多様化

バックグラウンドや働き方が異なる多種多様な人材が一緒に働くという多様性の広がりも、人的資本経営が求められる背景となっています。

現代の企業では、これまでよりも従業員に占める女性や高齢者、外国人の割合が増え、LGBTや障害者にも配慮した人材マネジメントが求められるようになりました。また労働人口が減るなか、終身雇用制・年功序列の体制は崩壊し、転職や独立は一般化、非正規雇用者も増えています。つまり、従来の新卒一括採用からの育成という人材マネジメントが通用しなくなっているのです。結果として、個を資本として重視する経営スタイルが求められるようになりました。

国際標準化機構(ISO)によるISO30414の策定

人的資本経営を求める動きは欧米を発端としており、世界では日本よりも一歩先に人的資本経営の適応が進んでいます。2020年、アメリカでは米国証券取引委員会(SEC)が上場企業に対する人的資本情報開示の義務化を決めました。

そのようななか、 2018年、国際的な標準となる国際規格を策定している「国際標準化機構(ISO)」によって、ISO30414という人的資本情報開示のためのガイドラインが出版されました。ISO30414では、人材マネジメントにおける11領域について58の測定基準が示されています。ISO30414が公開されたことで、海外企業における人的資本情報を開示する動きが活発化し、その流れで日本企業でも人的資本という考え方や経営手法の変革への関心が高まっています。

経済産業省「人材版伊藤レポート」の発表

世界的に企業に対する人的資本情報開示の要請が高まったことで、2020年には経済産業省が「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書〜人材版伊藤レポート〜」(以下、人材版伊藤レポート)を発表しました。人材版伊藤レポートでは、人的資本経営に関する具体的な取り組みや企業が行うべき変革の方向性を示しています。このレポートが発表されたことで、日本企業のなかで人的資本経営に対する関心が一気に高まることになりました。

その後も、経済産業省では人材版伊藤レポートの内容を深掘りする検討会を設置。2022年には「人材版伊藤レポート2.0」の公表に至っています。

人的資本経営に必要な視点・共通要素「3P・5Fモデル」


人材版伊藤レポートのなかでは、人的資本経営を実践するために必要なポイントとして、「3P・5Fモデル(3つの視点・5つの共通要素)」を挙げています。

ここでは、3P・5Fモデルの要点や有効な工夫について確認しておきます。

人的資本経営の人材戦略に必要な3つの視点

まず人的資本経営に必要な視点として挙げられるのが下記の3点です。

・経営戦略と人材戦略の連動
・As is-To beギャップの定量把握
・企業文化への定着

それぞれ順を追ってみていきましょう。

経営戦略と人材戦略の連動

経営戦略と人材戦略の連動とは、企業が策定する経営戦略と人材戦略が同期しているかという視点です。経営戦略は企業によって各々異なることから、人材戦略についても自社に適したものを考える必要があります。経営戦略を実行するためには、各社が異なる人材マネジメントを行わなければならないのです。その重要性は当り前のように認知されてきた一方で多くの企業で実践に至っていなかったとして、人材版伊藤レポートのなかでとくに重要性が強調されています。

経営戦略と人材戦略を連動させるためには、人材戦略実行の責任者としてCHRO(Chief Human Resource Officer「最高人事責任者」)を設置し、経営陣・取締役会と議論するのが有効です。ただし、CHROが役割を果たさないと、取り組みを主導できないため、CHROの責任の定義や役割を明確にし、経営陣によるサポートが求められます。

As is-To beギャップの定量把握

As is-To beギャップの定量把握とは、現在の姿(As is)と目指すべき姿(To be)のギャップを課題ごとにKPIを用いて可視化、定量的に計ることを意味します。このギャップを把握することで、経営戦略と人材戦略が連動しているのか、見直すべきポイントがあるのかを判断し、ギャップを埋める対策を講じることができます。As is-To beギャップを把握するためには、まず経営戦略の実現を阻害している人材マネジメントにおける課題を特定することが重要です。

ただし、As is-To beギャップの課題は短期間で解消できないことも多くあります。そのため、KPIを達成するまで期間を設け、継続的に取り組みを続けましょう。そのほか、さまざまなKPIが設定されると対処すべき課題が絞り込めないこともあるので、経営陣や取締役会では重要なKPIに絞って議論するなどの取り組みも有効です。

企業文化への定着

持続的な企業価値を向上させる企業文化は、人材戦略を実行する日々の取り組みのなかで徐々に醸成されていきます。よって、目指したい企業文化を社内に定着させるためには、人材戦略を策定するタイミングから定着に向けて取り組みを進めなければなりません。

企業文化を定着させるためには、経営陣が企業文化の元となる企業理念や企業の存在意義を再考するところから始めることが重要です。また、自社を支える従業員の行動や姿勢を企業文化と定義し、従業員に分かりやすく示します。そのほか、経営陣側が積極的に定着させたい企業文化を発信し、定着に向けて従業員と直接対話することも有効とされています。

人的資本経営の人材戦略に必要な5つの共通要素


人的資本経営に必要な共通要素として挙げられるのが下記の5点です。

・動的な人材ポートフォリオの策定と運用
・知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
・リスキル・学び直し
・従業員エンゲージメント
・時間や場所にとらわれない働き方

それぞれ順を追ってみていきましょう。

動的な人材ポートフォリオの策定と運用

動的な人材ポートフォリオとは、企業の人材構成を最適化しようとするものです。経営戦略を実現するためには、中長期的に必要な人材の質・量を維持しなければなりません。しかし、従来は、現在組織に所属する人材を起点として人材戦略を進めてきました。人的資本経営では、経営戦略を実現するために必要な人材の要件を定義し、人材マネジメントを戦略的に進めることが必要だとしています。

取り組みとしては、まずは現状と中期的に必要とする人材の質・量のギャップを明確にするところから始めます。また、人材ポートフォリオを策定するときは、できるだけ具体的に目指すべき姿(To be)を検討し、いつまでにどのような人材を生み出すのか、を明確にすることが重要です。

知・経験のダイバーシティ&インクルージョン

そもそもダイバーシティ&インクルージョンとは、年齢や性別といった外面的な属性や、ライフスタイルや価値観といった内面的な属性を問わず、お互いを認め合い、それぞれの能力を活かすことを指します。知・経験のダイバーシティ&インクルージョンでは、多様な知識・経験を持つ人材を積極的に取り込み、それらをかけ合わせることで、非連続的なイノベーションの創出を目指すことを指します。

知・経験のダイバーシティ&インクルージョンを実現するためには、グローバル展開や女性が活躍できる職場づくり、外国人材の採用など多様な人材を取り入れ、その多様性が活かせる環境整備が必要です。ダイバーシティの意味合いは日々変化していることもあり、人によって与える機会を制限しないよう意識する必要があります。

リスキル・学び直し

現在、企業を取り巻くビジネス環境は急速に変化を続けており、既存の従業員に新しい技術や能力を身に付けさせる(リスキル・学び直し)ことで、経営戦略の実現を目指すことが求められています。従業員に一任するのではなく、自律的にキャリアを形成できるように企業側がリスキル・学び直しをサポートすることが重要です。

リスキルを促すときは、まずは組織として不足しているスキル・専門性を特定しましょう。そして、社内外から対象のスキル・専門性を伝播できるキーパーソンを登用したり、リスキルを目指す従業員の処遇や報酬を検討したりといった対応が必要となります。

従業員エンゲージメント

従業員エンゲージメントとは、従業員の企業に対する愛着や共感を指します。従業員エンゲージメントが高まると、従業員は仕事に対してやりがいを感じ、自発的に企業に貢献したいという意欲が生まれるので、主体的に業務に取り組めるようになります。

従業員エンゲージメントにはさまざまな要素が複合的に影響するため、従業員エンゲージメントを高めるためには繰り返し取り組みと検証を重ねることが求められます。人材版伊藤レポートでは、とくに企業の成長と従業員の成長の方向性を揃えることが必要だとしています。

また、人的資本経営では組織には多様な個人が存在しているため、各々に合わせたキャリアパスを提供しなければなりません。副業や兼業といった多様な働き方の推進や、空いたポジションは公募を実施する、健康経営への投資などの工夫が効果的です。

時間や場所にとらわれない働き方

持続的可能な経営を行うためには、従業員が時間や場所にとらわれずに、いつどこからでも働ける環境を整備することが求められています。また、働き方のニーズは多様化しており、人材マネジメントの在り方や業務プロセスの再考が重要となっています。

時間や場所にとらわれない働き方は、つまりリモートワークを指します。そのため、企業には業務のデジタル化を進め、リモートワークでも円滑に業務に取り組める環境づくりが求められます。そのほか、リモートで業務に従事する従業員への仕事の振り方や育成・評価方法なども考えなければなりません。

人材版伊藤レポートに基づいた各企業の事例


人材版伊藤レポート2.0には、実際に人的資本経営を始め、企業価値の向上を図っている企業の実例が紹介されています。

・旭化成株式会社
・ソニーグループ株式会社
・東京海上ホールディングス株式会社
・株式会社日立製作所

ここでは、上記4つの企業の取り組みについてみていきましょう。

旭化成株式会社

旭化成株式会社では、人的資本経営に必要な「経営戦略と人材戦略の連動」「As Is-To beギャップの定量把握」「動的な人材ポートフォリオの策定と運用」を満たす取り組みを行っています。

たとえば、毎年経営戦略の実現に必要な人材の質・量を見直し、必要に応じて人材の充足を行っています。そして、人材ポートフォリオに基づいて採用・育成や、M&Aを通じて外部の人材の獲得を実施。高い専門性を持つ人材を定義。人数目標を立てて、継続して進捗をモニタリングしています。

ソニーグループ株式会社

ソニーグループ株式会社の場合、「企業文化への定着」「動的な人材ポートフォリオの策定と運用」「知・経験のダイバーシティ&インクルージョン」を満たす取り組みを行っています。

たとえば、人材の多様性が活かせるよう、体系的な人事戦略の構築・実行に取り組んでいます。また、グループの各事業についてそれぞれの特性や課題に応じて人事マネジメントを行うために、グループ各社にCHROを置いています。さらに、グループ経営の「求心力」として企業の存在意義を定義し、従業員エンゲージメントが改善したら経営陣報酬に反映しています。

東京海上ホールディングス株式会社

東京海上ホールディングス株式会社では、「経営戦略と人材戦略の連動 」「動的な人材ポートフォリオの策定と運用」「知・経験のダイバーシティ&インクルージョン」「時間や場所にとらわれない働き方」を満たす取り組みを行っています。

たとえば、トップタレントの獲得とグローバル経営人材の育成を目的とした人事制度で、将来の経営リーダーの拡充を目指しています。また、ダイバーシティ推進の責任者としてチーフダイバーシティ&インクルージョンオフィサーを設置し、2030年までに女性管理職の比率が30%になるよう取り組んでいます。

株式会社日立製作所

株式会社日立製作所では、「As Is-To beギャップの定量把握」「企業文化への定着」 「動的な人材ポートフォリオの策定と運用」「知・経験のダイバーシティ&インクルージョン」を満たす取り組みを行っています。

たとえば、2011年という早い時期から社会イノベーション事業へ経営資源を集中させ、グローバル共通の人材マネジメント基盤を整えてきました。また、経営リーダー候補を選抜し、経営陣が自らリーダーの輩出に尽力しています。

2022年に内閣官房が人的資本の指針を発表!企業が開示すべき項目は?

これまで経済産業省が人材版伊藤レポートを発表してきましたが、2022年6月には、内閣官房「人的資本可視化指針(案)」が発表されました。この指針のなかでは、開示が望ましい人的資本情報の項目が示されています。また、早ければ2023年にも上場企業に対して、有価証券報告書への人的資本情報の記載を義務付けることが予定されています。

日本企業が開示が望ましい人的資本の情報の項目

開示項目はISOやSECなどによって異なりますが、政府はこれらを整理して日本企業として開示が望ましい項目を提示しています。いずれも開示が義務付けられているわけではないため、必ずしも全ての人的資本情報を開示する必要はありません。

開示が望ましい項目 開示事項の具体例
育成 ・研修時間
・研修費用
・研修参加 など
従業員エンゲージメント ・従業員エンゲージメント
流動性 ・離職率
・定着率
・採用・離職コスト
・従業員一人当たりの質
・求人ポジションの採用充足に必要な期間 など
ダイバーシティ ・属性別の社員・経営層の比率
・男女間の給与の差
・正社員・非正規社員等の福利厚生の差
・育児休暇等の後の復職率・定着率
・男女別育児休暇取得社員数 など
健康・安全 ・労働災害の種類、発生件数・割合、死亡数等
・業務上の負傷、事故、疫病による損失時間
・健康・安全関連の研修を受講した社員の割合 など
コンプライアンス・労働慣行 ・コンプライアンスや人権等の研修を受けた社員割合
・苦情の件数
・懲戒処分の件数と種類 など

2023年から開示が義務付けられる項目

先述の通り、2023年には上場企業に対して一部の人的資本情報の開示が義務付けられます。たとえば、ダイバーシティの「育児休業の取得率」「男女間の賃金差」「男性育児休業取得率」は有価証券報告書で情報を記載することになっています。開示が義務付けられる項目については事前に社内でデータを収集し、準備しておかなければなりません。

また、開示が必須ではない項目に関しても、開示することで自社の強みや成長性を投資家にアピールすることができます。必須項目以外は、統合報告書などに記載して開示していくことになるでしょう。

人的資本経営で経営陣に求められる4つのアクション

最後は、人材版伊藤レポートで示された人的資本経営を実行するために、経営陣が行うべきアクション(進め方)のポイントを紹介します。人的資本経営は、経営戦略と人材戦略の再考が必要であり、経営陣の積極的な行動が求められます。

①企業理念・企業の存在意義・経営戦略を明確にする

人的資本経営に求められる要素「企業文化への定着」を実現するためには、全ての大元となる企業理念・企業の存在意義・経営戦略を明確にすることが重要です。

今後、企業が組織力を発揮するためには、多様な人材を惹きつける企業としての求心力が求められます。従来の経営スタイルで終身雇用制度や固定化された価値観をそのままにすれば、働き手からのニーズを満たすことができず、経営戦略における目標達成は難しくなります。そのため、経営陣・取締役会は、企業理念・企業の存在意義・経営戦略といった企業の根幹となる部分まで立ち戻り、再度企業の競合優位性を支える人材戦略を練り直さなけばならないのです。

実現には経営戦略の目標からのバックキャストがポイントであり、現在の人事戦略の積み上げにならないよう注意が促されています。

②経営戦略と連動した人材戦略を策定・実行する

人材版伊藤レポートで強く指摘されている「経営戦略と人材戦略の連動」を実現するために、経営陣としてはとくに力を入れたいところです。人事戦略を策定するときは、承認・監督の主導権が経営陣・取締役会にあることを明確にすることがポイントとなります。このときに、現実的かつ充実した議論を行うため、人材マネジメントに精通した人材を経営陣・取締役会に入れることが推奨されています。

もちろん、人材戦略の実行中にも、継続して監督・モニタリングが必要です。KPIを設定し、経営陣・取締役会で、定期的に経営戦略と連動した人材戦略を策定・実行できているか議論を行いましょう。

③CHROの設置・選任して経営陣の密接な連携を図る

経営戦略と人材戦略を連動させるためには、CHROの設置が有効であることをお伝えしました。また、設置するだけでなく、CHROと経営陣のコアメンバー(5C)は綿密な連携を図ることが重要です。経営陣のコアメンバーとは、CHROのほか、CEO(Chief Executive Officer「最高経営責任者」)・CSO(Chief Strategy Officer「最高経営戦略責任者」)・CFO(Chief Financial Officer「最高財務責任者」)・CDO(Chief Digital Officer「最高デジタル責任者」)です。

人事戦略はCHROが主導して進めますが、その他経営陣・取締役会も、人事戦略の方向性がズレていないか、経営戦略と人材戦略が同期しているかをチェックしなければなりません。人事戦略のイニシアチブを従来の人事部から、経営陣・取締役会に移すことがポイントです。

④従業員・投資家に対して積極的な発信・対話を行う

そもそも企業の人的資本情報の開示は、投資家から求められるようになったことに始まります。そのため、一連の取り組みに関しては、社外にも積極的に発信しつつ、投資家と新たな気づきを得るための対話を行っていきましょう。

もちろん実際に業務に取り組む現場にも、企業としての方向性を理解してもらい、成長のベクトルを一致させなければなりません。従業員が主体的に業務に従事し、それが企業の成長に活かせる環境づくりを行いましょう。

これからの日本企業には人的資本経営が必須!


人的資本経営とは、人材を資本として捉え、投資の対象とすることで企業価値を向上させる経営手法を指します。現在、企業価値の大半は無形資産となっており、投資家が持続可能な経営ができる企業か否かを判断する材料として、無形資産の1つ「人材」に注目が集まっています。今後、人的資本情報の開示の流れはさらに加速することが見込まれています。

人的資本経営の実現を目指す場合、経済産業省が発表した人材版伊藤レポートを参考に、経営陣・取締役会がイニシアチブを握り、積極的に取り組むことが効果的。既に人的資本経営を導入している企業も多いため、参考にしながら取り組みの準備を進めましょう。

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