9個のハラスメント類型と対策事例を紹介!パワハラ防止法に対するハラスメント対策をどう取るか?

9個のハラスメント類型と対策事例を紹介!パワハラ防止法に対するハラスメント対策をどう取るか?

IT化が急速に進む現代日本では、従業員同士の関係が希薄になっていたり、社内環境が著しく変容し続けていたりしています。些細なコミュニケーションのすれ違いや、慣れない労働環境も起因して日本社会人のストレスは貯まり続けている様です。

こうした状況は従業員の精神状態に影響を与え、様々な問題を引き起こす原因となります。最近になって声高に叫ばれるようになった「ハラスメント」もそういった背景から生じる問題の一つです。

そこで本記事では社会問題にもなりつつあるハラスメントについて、どのように定義するべきかその類型を解説し、人事担当者として社内のハラスメントにどう対応するべきか事例をご紹介します。

ハラスメントとは


ハラスメント(Harassment)とは、英語を直訳すると「嫌がらせ」という意味に当たります。相手の意に反する行為によって、相手の尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、不快な気持ちにさせるような行動を指します。
ここでポイントとなることは、行動主体の意識は関係なく、その行動を受けた人物が不当に感じることがあれば、その行為はハラスメントに該当するということです。
ハラスメントに該当する行動を取った人物が、無自覚に・考えなしにそのような行動を取っていたとしても「ハラスメントだ」と受け止められてしまう場合があるのです。そのような背景もあり、日本では近年になってハラスメント周知の重要性が声高に叫ばれ始めています。

2019年5月にパワハラ防止法が成立

最近の日本の話を挙げれば、パワハラ防止に向けた対応を義務付ける法律が2019年5月に成立しました。改正労働施策総合推進法は「パワハラ防止法」とも呼ばれており、大企業では2020年6月から施行済み、中小企業では2022年4月から施行されます。

以上のような背景もあり、今までハラスメント対策に力を入れていなかった企業がその対応を迫られることとなり、社内環境の改革や、定期的な研修を取り入れるなど、ハラスメント防止に取り組んでいる動きがある様です。

職場における9つのハラスメントの類型と定義


ハラスメント対策に日本企業が乗り出し始めたとはいえ、その定義があいまいなままでは有効な施策も効果を生み出しません。
そこでまずは職場におけるハラスメントの9つの類型を確認しながら、ハラスメントにはどのようなものがあり、どう定義されるのかを見ていきましょう。

参考:厚生労働省|ハラスメントの類型と種類

パワーハラスメントの類型と定義

職場内で起こるパワーハラスメントには次のような類型があります。

1.身体的な攻撃
2.精神的な攻撃
3.人間関係からの切り離し
4.過大な要求
5.過小な要求
6.個の侵害

殴打、足蹴りを行ったり相手に物を投げつけたりする「身体的な攻撃」や、必要以上に長時間にわたって叱責するような「精神的な攻撃」はパワーハラスメントの代表例として挙げられるものです。
その他にも、特定の労働者を仕事から外したり無視したりする「人間関係からの切り離し」や、「過大/過小な要求」、そして労働者の個人情報について本人の了承を得ずに暴露する「個の侵害」といったものがパワーハラスメントに該当します。
厚生労働省の定義では、以上パワーハラスメントの類型は人と人との間に上下関係が存在することを前提とするものだと説明されています。

セクハラの類型と定義

次に、セクシュアルハラスメントの類型と事例をご紹介します。

1.対価型セクシュアルハラスメント
2.環境型セクシュアルハラスメント

「対価セクシュアルハラスメント」とは、経営者や上司から性的な関係を要求され、それ拒否した場合に、解雇されるなど不当な扱いを受けることを指します。
「環境型セクシュアルハラスメント」は過去における性的な言動の経緯より就業意欲が低下していたり、仕事に手が付かなかったりする状況のことを指します。
セクシュアルハラスメントは女性にだけ当てはまるものだと誤認されることもありますが、被害者の主体が男性でも当てはまるものです。

パタハラ、マタハラの類型と定義

パタハラ(パタニティ・ハラスメント)やマタハラ(マタニティ・ハラスメント)は、家庭の育児参加の権利や機会を職場によって侵害される状況を指します。

1.制度等の利用への嫌がらせ型
2.状態への嫌がらせ型

「制度等の利用への嫌がらせ型」は、出産・育児・介護に関連する制度利用を職場が阻害するようなハラスメントが該当します。産休について相談した際、「他の人を雇うので辞めてもらうしかない」と言われるなど、上司や同僚からの圧力があります。
「状態への嫌がらせ型」は出産・育児などにより就労状況が変化したことに対して嫌がらせをするようなハラスメントが該当します。妊娠を理由に「いつ休むかわからないから、仕事は任せられない」と雑用ばかり任せられていたり、「こんな時期に妊娠するなんて」と精神的な攻撃を受けている状況が該当します。

その他ハラスメントの定義について

そのほかにも日本では様々なハラスメントが定義されています。

●セカンドハラスメント(セカハラ)
●モラルハラスメント(モラハラ)
●アルコールハラスメント(アルハラ)
●スメルハラスメント(スメハラ) など

ハラスメントの定義は挙げればキリがなく、最近では「なんでもハラスメント」(なんでもかんでもハラスメントに当てはめることを意味する)という言葉が生まれているようです。それだけ社会に蔓延る「不当な扱い」は多いということでしょう。

人事部が実際に対応したハラスメント対策事例を紹介


これまで紹介したようなハラスメントについて心当たりのある人事の方がいれば、早急に対応策を打ち出す必要があるでしょう。
ハラスメントを定義することは非常に難しいですが、不当な扱いを受けた従業員がいつでも相談できる環境を用意しておき、社内環境の健全化に努めることこそがハラスメント対策の一番の方法です。
そこで本章では、人事部が実際に対応したハラスメント対策事例についてご紹介します。

参考:厚生労働省|職場のパワーハラスメント対策取組好事例集

ハラスメント対策の事例1. 現場での積極的なパワハラ防止働きかけ

従業員が250名規模の製造業を営むQ社では、就業規制にハラスメント全般の禁止規定を盛り込むことで従業員の意識改革に尽力しました。「何がハラスメント」に該当するのか、「どうしてハラスメントはダメなのか」、まずはそこから意思統一を図る必要性を感じ、過去10年間で通算5回の社内研修も行ったと言います。
ただし、時間の経過と共にハラスメント対策意識が薄れていってしまうことも事実としてありました。そこで、役員が率先して現場に赴き、パワハラになりそうな言動を見かけたらその場で注意呼びかけをする対応を取ったそうです。

●社内全体へ「ハラスメント」に関する知識の周知
●役員が率先してハラスメント予防に取り掛かる意識を見せる

以上の工夫もあり、これまで健全的でなかった職場風土を改革することに成功し、パワハラを受けたという訴えも激減したと言います。

ハラスメント対策の事例2. 部門リーダーへのコミュニケーション研修

同じく製造業で2,500人もの従業員を抱えるK社では、8年前より従業員のストレスチェックや集団分析を通して、各職場での対人関係でのストレス状況を把握するように務めていたと言います。
そういった取り組みの延長線上にハラスメント対策も実施し、各リーダーに対して新たなコミュニケーション研修を取り入れました。仕事に対する意識の世代間ギャップや部下の多様化(性別や国籍上におけるもの)が原因で生じる摩擦を最低限にするべく、どのように部下へ接するべきか、どう部下を育成するべきなのか、ロールプレイングを多く取り入れた研修を徹底させたと言います。

●従業員のストレス度合いチェック
●各部門リーダーへのコミュニケーション研修

ハラスメント対策の事例3. 無記名のアンケートによって明らかになったパワハラの数値

大阪府のサービス業を営むJ社では、従業員130名に対して無記名のアンケート調査を行いました。その結果、パワハラを受けたことがあると回答した人の割合が、会社の予想を大きく上回る割合であったことが判明したのです。しかし、こういった実態調査を行うことで従業員に対する「ハラスメント対策」に動き出す意思表示ができたのだと言います。
その後はトップダウン方式でハラスメント対策の方針を周知させ、その取り組みをボトムアップ方式で現場が担う体制を整えることでハラスメントの予防に務めました。

●社内全体への無記名アンケートで実情把握とハラスメント対策周知
●トップとボトム層両側面から、会社一丸となってハラスメント対策に取り込む

以上の3例からわかるように、ハラスメント対策には次の取り組みと姿勢が重要になります。

1.企業トップからの働きかけ
2.企業内でのルール
3.ハラスメントの実情把握・周知・教育
4.ハラスメントの相談や解決の場の敷設
5.ハラスメント再発防止のための取り組み

ハラスメントだとは分かっていても、それをなかなか言い出せないような社風というものもハラスメント対策の障壁となります。会社全体が一丸となってハラスメントに取り組む姿勢こそが大切だと言えますね。

まとめ

本記事ではハラスメントの定義とその対応策について、厚生労働省が掲載している類型に従ってご紹介しました。
ハラスメントには様々な種類のものがあり、その全てを把握・定義付けすることは困難を極めます。そこで企業の人事担当者は「どうしてハラスメントに問題があるのか」「何がハラスメントに該当するのか」その特徴を正しくとらえ、それを企業内に周知させる必要があるでしょう。
社内の従業員にハラスメントのことを知ってもらい、何よりも、会社がハラスメント対策に動き出すという意思表示をすることが対策の先駆けとなります。
また、ハラスメントが既に起こっていることを認識するための実情調査や、相談窓口を敷設することも重要です。トップダウン一方通行のハラスメント対策ではなく、ボトムアップ方式も兼ね合わせた、社内一丸となって行うハラスメント対策を施していきましょう。

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