ヘッドハンティング研究

図解!ヘッドハンティングされる人材は同業他社のエースだけ?

図解!ヘッドハンティングされる人材は同業他社のエースだけ?

ヘッドハンティングされやすい人材は?と問われたら「同業他社でも活躍著しいエース級の人材」というのは想像がつくかと思いますが、それ以外の対象はどのような人材なのでしょうか?当社はフルサーチ型のヘッドハンティングサービスを実施していますが、今回はサーチやスカウトの対象になりやすい人材像をご紹介していきます。

ヘッドハンティング案件の需給分類

はじめに、転職市場における需給の観点から見ていきますと、企業から寄せられるヘッドハンティング背景は、大きく分けると2つに定義されます。ひとつめは「希少人材が欲しい場合」であり、もうひとつは「競争過多な市場の人材を獲得したい場合」です。役職者のリプレースメントや新規事業担当などでオープンな採用活動が出来ないという場合もヘッドハンティングを活用することがありますが、件数として多いのは先述のふたつです。

下記図にて転職市場に現れる人口数と求人企業のニーズでヘッドハンティング案件の需給を分類してみました。それぞれ解説します。
ヘッドハンティング案件の需給分類

需要が多いのは希少か競争過多なポジション

①希少
ニッチ分野や専門性高いポジションで、そもそも就労人口が少ないため求人企業も少ないのですが、転職市場に対象がいないために採用が困難なケースが①希少になります。例えば、最先端技術のエンジニア、ニッチな製品の研究職など。プロ経営者や優秀なマネジメント層もここに該当します。そもそも就労人口が少なく転職市場ではなかなか出会えないこの領域は、ヘッドハンティングでの採用ニーズが高いです。

➁競争過多
例えばITエンジニアや建設の施工管理者などです。業界内での就労人口はある程度いるが転職市場にいる人材だけでは、求人ニーズに対してカバーしきれません。理由としては業界内での人脈による移籍が多い、企業の囲い込みが強い、多忙な職種で転職市場(求人媒体や人材紹介サービス)に自ら出ていかないなどが挙げられます。たとえ転職市場に現れても、該当人材は引く手あまたで競合が激しく自社には振り向いてくれないケース(競争過多)となり、こちらもヘッドハンティングによって採用したいというニーズが高くなります。

③ポテンシャル
若手の営業職や管理系職種など。転職活動者が多い一方で採用側のニーズも高い。求人媒体などを介した面でのマッチングが盛んな領域です。ヘッドハンティングの依頼が0ではありませんが、将来性を含むポテンシャル採用の場合も多く、獲得する人材の経営や事業に対するインパクトに比べて、投じる費用が大きいためにヘッドハンティングの活用に向いてはいません。

④標準的キャリア
ビジネスマンとして一定の経験は積んでいるものの①希少や➁競争過多には該当しない層。転職市場で最も多く存在しており、求人ニーズがある場合は、スカウト型の求人サイトや人材紹介サービスを活用 してスキル、経験をしっかりセグメントすれば獲得できる可能性が高い。その為に採用手法としてヘッドハンティングの優先順位は低くなります。

ヘッドハンティングされやすい人材の分類

さらに①希少と➁競争過多の領域の中でも企業にとってターゲットとなりやすい人材像を掘り下げていきたいと思います。社内での活躍度、つまりスキルや経験などからなるビジネス力と業界親和性という2軸で評価しています。あくまで①希少、➁競争過多の領域の中でさらに…というように絞込んでいくイメージです。

本命となる同業他社で活躍する人材や他業種であっても自社に変革を起こせるゲームチェンジャーとなる人材がヘッドハンティングの対象にはなりやすく、移籍後も活躍の可能性が高いと思われます。下記図にて社内での活躍度と業界類似性でヘッドハンティングの需要を分類してみました。それぞれ解説します。
ヘッドハンティングに向く人材の分類

同業他社のエース以外でも可能性はある

Ⅰ.本命
同業でかつ職種専門性が高く、社内でも出世頭な存在であり同業他社のエースです。また、出世頭とはいかないまでも専門性高いスキルを持つ優秀な人材も該当します。その分野でのご意見番になり得るような人材です。このような人材はやはり自社に移籍してもらった際も活躍する可能性が高いですから、スカウトしたいと思うのは当然かと思います。

また、転職市場以外から候補を探し出すのがヘッドハンティングですから、人づてで評判を聞くことや、公開情報から候補を絞り込んだりすることも。現職で活躍して目立つ存在である、これら人材の方が対象となりやすいわけです。

Ⅱ.ゲームチェンジャー
異業種ですが職種専門性が高く、現職では社内で出世頭な存在です。業界をまたいでも活躍できる営業職のトッププレイヤーや、別業種で培った技術を転用できる新商品開発などの需要があります。

別会社からだけでなく、別業種での経験やノウハウ、新たな販路などは移籍後の企業に大きな変革をもたらすことがあるので、ゲームチェンジャーとしての活躍が期待できます。また、業種は異なれども、「Ⅰ.本命」と同じく、目立つ存在のため、人づてで評判が聞きやすい、公開情報から候補を絞り込みやすいという点でヘッドハンティングの対象となりやすいです。

Ⅲ.準候補
同業ではあるが社内での評価は標準程度で出世スピードも平均。それほど目立たない存在。ただ、同業内であれば即戦力として期待できる希少なポジションであることや、資格ありきのポジションの場合などは、人物次第ではヘッドハンティングの対象となることがあります。本命を優先することの方がもちろん多いので、準候補という位置づけではありますが、他社の社員レベルが非常に高い場合に逆にエース級でない方がマッチするということもあり得ますし、給与等の条件からしても出世頭でない方が折り合う場合もあり、諸事情を加味した結果、候補となるケースがあります。

Ⅳ.対象外
同業でなく、かつ社内評価は標準程度でそれほど目立たない存在。貴社のヘッドハンティングの対象にはほぼなりません。

まとめ

ヘッドハンティング案件の需給分類でお伝えした①希少なポジションや➁競争過多なポジションが前提となりますが、対象者は同業のエースだけではなく、異業種の人材も対象になり、場合によってはエース級でない人材も対象になり得ます。意外とゾーンが広いなと思われたかもしれませんが、実際には年齢や就業地、年収、職務経験年数等でさらに細かいターゲティングを行っていきます。企業の実態やニーズに合わせてスカウト対象の設計をオーダーメイドで行うイメージであり、それがフルサーチ型のヘッドハンティングになります。

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