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企業の人手不足を解消するには

企業の人手不足を解消するには

少子化による人手不足。この状況はまだしばらくは続くと見られ、企業の人材不足は恒常的な問題になってしまっています。この状況下では、企業は必要な人材をどのように確保し、また確保し続けるかを考えなくてはなりません。慢性的な人手不足をどのように解消するのか、その施策を考えてみましょう。

まだまだ続く、企業の人手不足

少子化によって、企業の人手不足はまったく改善される様子が見えてきません。実際にほとんどの企業が「人手が足りない」という認識を持っています。厚生労働省では「労働経済動向調査」を定期的に行っていますが、2016年11月に行われたこの調査では、すべての産業で「人手不足」という結果になっています。特に医療・福祉、運輸、建設、宿泊・飲食サービス業などの分野では、深刻な問題となっています。

まさに全方位で人手不足という状況ですが、その大きな要因はやはり少子化です。しかも、日本の人口ピラミッドを見ると、これから就職年齢を迎える人口は減少傾向にあり、新規採用に関して今後10年ほどは「人材が足りない」という状況が改善されることはなさそうです。

なぜ、企業は人手不足に陥ってしまうのか

「人手が足りない」という現象の中には、業務効率や生産性が低いというケースも少なからずあるでしょう。例えば、「3人でできる仕事を5人で回している」といった場合です。こうしたケースは除いて、純粋に人材が足りない、採用しても長続きしないという場合の原因を考えてみましょう。

【人手不足になるおもな要因】
1. 採用の精度が低い
2. 業務内容と報酬のバランスが悪い
3. 社内環境が悪い

ほかにもあれこれあるとは思いますが、ここではこの3つを挙げておきましょう。いずれも人が入ってこない、入ってきても短期間のうちに辞めてしまう、という場合に考えられる要因です。そしてこれらの要因を解決することこそ、人手不足を解消する一手になるのです。

採用の精度が低いためのミスマッチ

採用は企業にとって、最高レベルの重要案件です。それだけに、できるだけ精度を高め、目的に沿った人材を確保することが必須となります。中途採用であればなおのこと、実務経験や持っているスキルの詳しい内容や業務に対する意識や姿勢など、可能な限りの情報を集めた上で検討するべきでしょう。

本人の能力ばかりではなく、企業側が提供するものについても詳細な検討を加えて、できるだけ明確にしておく必要があります。報酬はもちろん、将来的な展望も含めた業務範囲、権限、期待する結果など、あいまいな部分は残さないくらいのつもりで詰めていくべきです。

採用時の精度が高ければ、お互いに「こんなはずではなかった」という事態を避けられます。また、できるだけ細かいところまで話し合うことで、双方の信頼も生まれるでしょう。それは、優秀な人材を引き寄せる魅力にもなるでしょうし、採用した人材をつなぎ止めておくことにもつながっていきます。

報酬ですべてが解決されるのか

「こんな安月給では、求人を出しても応募なんかないだろう」。そうした意見は間違いではありません。業務内容と報酬のギャップがあまりに大きければ、人手不足の解消は難しいでしょう。ですが、中途採用に関していえば、近年の傾向として「報酬以上に、やりがいを求める」というタイプの求職者が増えているといわれます。

例えば、大きな組織でマネージャーとして活躍していても、会社全体を動かしていく醍醐味はなかなか得られません。ならば、成長過程あるいは新事業に着手しようとする中小企業に身を移して、そこで自分の能力を存分に発揮し、会社の成長に役立ちたい…というケースです。このような転職では、転職者自身は実質的な収入減となることが多いものです。ですが、単にお金に換算できない価値が企業側にあり、それが求職者の要求にマッチすれば、「報酬は二の次」となることもあるのです。

より快適な社内環境が人材を根付かせる

これはかなり広範な話になります。単に社内環境といっても、その意味するところは大小織り交ぜて、多くの要素が関連するからです。社内の風土という点からいえば、セクハラ・パワハラの撲滅は当然として、社内の「風通しの良さ」は重要でしょう。すべてにおいてトップダウンの社風では、現場発の新鮮なアイディアは出てきませんし、そうした組織はとかく閉塞感が漂います。役職や年齢にかかわらず、自由に提案できる組織は、社員のモチベーション向上にもつながります。

就業制度の面からも、多くの見直しができるでしょう。社員一人ひとりは皆、子育てに苦労していたり、同居の親の面倒をみていたりなど、それぞれ事情があります。また、休日には趣味を楽しんだり、各種セミナーに参加して自分に投資したりするなど、余暇の使い方も違うでしょう。そうした個々の要求に応えられるような制度があれば、社員にとって利便性が高まり、会社としての魅力も増すのではないでしょうか。

人を集め、人を離さない組織をつくる

業種によって多少の差はあるものの、現在の日本は全体的に人手不足です。それを解消するには、第一に企業自身が魅力的な組織になることです。魅力的な組織には、今まで以上に多くの人が集まってきますし、やって来た人は「ここから離れたくない」と思うはずです。そんな魅力的な組織に、企業そのものが変貌していくことです。これは有効な対策でしょう。

第二に、求職市場にいる人材の要望を知り、適確なアプローチをかけていくことです。先にお話しした採用の高精度化や、報酬以外の欲求を満たす環境構築などに力を入れることで、求職者を振り向かせ、自社に就職するメリットを理解してもらうことです。

そうしたことを考えると、中途採用で人材を補強するのであれば、ヘッドハンティングの活用は最適な手段となるでしょう。第三者の視点に立ち、冷静で客観的な判断と提案ができるヘッドハンターは、求人側と求職側の双方にとって有益な、ベストマッチを実現することができるからです。

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