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組織の生産性を上げる「ミーティングマネジメント」の必要性

組織の生産性を上げる「ミーティングマネジメント」の必要性

近年企業は、急速にWeb会議を導入するようになりました。遠隔地にいる社員も会議に参加できるので、大変便利な方法です。しかし、会議時間が長引いたり結論が出なかったりするケースも少なくありません。もちろんWeb会議に限らず、実際に会議室で行う会議でも同様の問題は起こり得ます。会議の効率を向上させるミーティングマネジメントの必要性について考えましょう。

ミーティングマネジメントの必要性

企業においてミーティングは欠かせません。必要ないという意見もインターネット上では散見されますが、プロジェクトチームや会社のなかで意思決定を行い、意思統一を図り、必要な情報を共有するために会議は必要なものです。
すべての会議をなくしてしまうと、組織としてうまく機能しなくなってしまうかもしれません。しかし、会議を行っても明確な結論が出ずに時間だけを浪費してしまったり、議題と関係ない議論が行われてしまったりといった事態は避けなければなりません。会議自体が生産性のない無駄な業務とならないよう、工夫が必要です。

株式会社NTTデータ経営研究所「会議の革新とワークスタイル」が2012年に行った調査では、日本で会議時間が業務時間に占める割合は約15%であるという結果が出ています。[注]
1日8時間働いている人は、毎日1時間以上も会議に参加している計算です。
もちろん会議の準備などを含めるとこの割合はさらに増えるでしょう。少しでも会議を効率よく進め、より多くの時間を生産的な業務にあてるためにも、ミーティングマネジメントが必要なのです。
[注]「会議の革新とワークスタイル」に関する調査(株式会社NTTデータ経営研究所)
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/archives/121005/

ミーティングマネジメントのポイント

ミーティングマネジメントには、押さえておくべき大切なポイントがいくつかあります。まず、会議の必要性を検討することです。会議や議題のなかには、日ごろ密なコミュニケーションを心がけていれば不要になるものもあります。ごく短時間の打ち合わせで済むものもあるでしょう。会議の必要性を考慮し、不要であれば会議自体をなくすことで効率化を図れます。

続いて、会議の目的を明確にします。話し合うテーマや、決定事項が分かっていれば、ミーティングマネジメントもしやすくなります。だらだらと会議が長引くことも少なくなるでしょう。誰が会議に参加するかも、慎重に検討します。参加人数が少なくなればそれだけ会議をまとめやすくなります。情報を共有すればよい人がいれば、会議後に議事録を渡せば十分です。

会議前に議事と時間配分を記載した資料を用意しておくことも重要です。事前に資料を渡しておけば、自分の考えをまとめて会議に臨めるので時間の短縮になります。明記された時間配分が目安となって、会議全体が予定通り進んでいるかどうかも判断できます。もし長引いているのであれば議事進行を早めるべきかもしれません。次の議事に進むときにも、「予定時間を過ぎていますので」などといえば決定を早められるでしょう。

会議で決まったことがあれば、誰がいつまでに行うのかを明記しておきます。これで会議全体が意味あるものとなるでしょう。会議で使う資料は、できるだけタブレット端末などを用いたものを用意しておくと便利です。電子的な方法で情報を共有できれば、印刷や配布の時間や手間を省けます。資料をクラウド上に保存しておくと随時情報の更新が可能で、会議終了後もすべての人が閲覧できるため、大変便利です。

ファシリテーション研修について

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会議で生産性を向上させるためには、いくつものポイントを考慮しなければなりません。ただし、これらすべてのポイントを押さえたうえで会議を進行するのは、かなり高度な技術が必要です。そこで利用できるのがファシリテーション研修です。ファシリテーションとは、会議において議論を円滑に進めたり、発言を促して議論を深めたりすることを指します。

会議において議事を指定時間通りに進め、かつ合意性の高い結論を引き出すためには高度な技術を身に付けたファシリテーターが必要です。さらに、ファシリテーション研修は取引先との商談など利害関係者の話し合いにおいて、皆が納得できる合意を導き出すのにも役立ちます。社員にこうした知識や技術を習得させるためには、ファシリテーション研修を行ってみるのも有意義でしょう。

ミーティングマネジメントでメリハリをつける

ミーティングマネジメントを行えば、会議がより有意義で濃密な議論が交わされる場になります。限られた時間のなかでしっかり話し合わなければならないので、参加者の姿勢がより積極的になり、発言内容も洗練されたものとなるでしょう。チーム力の向上にも役立つはずです。
ファシリテーターがいれば議事の進行はスムーズになり、参加した多くの人がよい会議だったと思える結論が導き出せるに違いありません。だらだらと会議が進むことはなく、会議全体にメリハリが出るでしょう。ぜひ、ファシリテーション研修などを通して、ミーティングマネジメントに長けた社員の育成を目指してください。

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