証を診たてる

2月は私の誕生月ですが、数年前に取得した健康管理士一般指導員の資格更新時期でもあります。この資格は、簡単な試験ですので3、4ヶ月勉強すればどなたでも取得できます。きっかけは大病した家族のための病気予防でしたが、取得した当時は、休日地元で健康指導のボランティア活動をしていました。

特に漢方医学と西洋医学の違いが勉強になりました。それぞれ長所・短所があり、得意・不得意な分野を持っています。例えば、西洋医学では解明されていない病気や完治の難しい病気、めまい、ふらつきや倦怠感など不定愁訴(ふていしゅうそ)などに漢方薬が効果を発揮するケースが多くなっていることがその理由の一つといえます。西洋医学の抱えている問題が、限界や壁に突き当たり、それを補う新しい方法を求めた結果として「漢方医学」が注目され始めたといえます。現在、日本の多くの病院で漢方医学の考え方を取り入れられ、漢方薬が処方されている。アメリカでも代替医学局が設立され、漢方医学をはじめとする西洋医学以外のさまざまな療法の研究が活発になってきています。

漢方医学と西洋医学は、根本的に「病気に対する認識」が違います。漢方医学は全体の「証」(しょう)を診る医療、西洋医学は局所の「病気」を診る医療です。
西洋医学では、まず患者の訴えを聞き、科学的に基づいた視点から「病気」という局所を分類し、画像診断(CTスキャン、レントゲン、超音波画像など)や検査(血液、尿など)などで鑑別を重ね、消去法で「病名」を追い詰めていきます。そして、病名が確定すれば、治療内容もほぼ決まります。西洋医学の治療では、薬を処方することで病気を治したり、病巣を外科的に取り除いたりいますが、副作用・手術後の回復に問題が残ります。極端なことをいえば、病名が決まらないと「原因不明」として治療ができないことがあります。

一方、漢方医学は、体全体を大きな有機体として捉え、一つ一つの臓器や組織は独立したものではなく、連携を取り合いながら機能しているという「心身一体」の考え方で成り立っています。そのため、漢方医学では、患者の体全体を総合的に判断し、病名よりも患者の「証」の見極めを重視します。患者一人一人の体質や病態には個性があり、その特徴が「証」として症例に現れるため、それらを見逃さないように全身くまなく観察するのです。
例えば、体格が良いか悪いか、体力があるかないか、元気があるかないか、顔色が良いか悪いか、太り気味かやせ気味か、等々を総合的に診ていくことです。
「証」が違えば、西洋医学でいう病名が同じ人同士でも、異なる漢方薬を処方することがあります。「同病異治、異病同治」といいます。例えば、風邪にかかった場合、赤ら顔で暑がりの人と青白い顔で胃腸が弱い人では、処方する漢方薬はまったく異なります。反対に、風邪や肩こり、じんましんといった西洋医学からするとまったく違う病気にも葛根湯(かっこんとう)という漢方薬を用いることがあります。小紫胡湯(しょうさいことう)という漢方薬は肝炎に使うことがあれば、風邪をこじらせた時に使うこともあります。一見、関係のない病気に、同じ薬を用いるのは、その人の病態を示す「証」が同じだからです。
このように、「証」というのは、漢方医学の治療において非常に重要なポイントとなっています。

この漢方医学のオーダーメイドな視点や知識は、人材コンサルにおいて私たちが求職者の方を理解する際に共通点があると感じます。求職者の方のご経歴、退職理由、キャリアデザインのお考え、ご性格、ポリシー等々、くまなく見て聞いてその方の全体を総合的に把握するいわばお一人お一人の「証」をどう診るかがその方に適した企業のご転職に繋がるものと考えます。
その方にとって最後のご転職と願って、これからも使命感、情熱そして愛情を持って、邁進していきたい。

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