プロねた。
Vol.094

ストレスチェック

2015年12月02日
担当
福良 英基

12月1日より「ストレスチェック」の義務化がスタートした。社員数が50人以上いる企業では年に1回、仕事や職場で社員が感じている心理的な負担をチェックする新制度である。「50人以下の会社だってストレスを抱えているぞ!」という現状は無視されている感があるので、万全な制度とは思えないが、メンタルヘルスの対策が他先進国より遅れている日本も一歩前進した感はある。

私の周りでも既にこのテストを受けた人が数名いる。身近なところでは、某金融機関でパートとして働く妻が、制度施行の初日にテストを受けたそうだ。結果は「業務量が多いことによるストレスが若干あり…」。日頃から“目の回るような忙しさで時短勤務が尚更短く感じる”というようなことをよく言っていたが、テスト結果でそれが少なからずストレスになっていると分かって

「もっと真剣に話を聞いてあげよう・・」
とか
「家事や育児の負担はできるだけ軽減してあげなくては‥」

などと自分が出来る何らかの助け舟を出したくなってしまった。まさにこれがこの制度の狙いどころ。テスト結果をうけた企業は同様、何らかの対策を講じてトラブルを未然に防げるようにしようということなのだろう…。しかし実はこの制度、健康診断と違って雇用主(企業)は社員が受けたストレスチェックの結果を知ることが出来ない。企業が社員のメンタル不調を知るのは、ストレスチェックの結果、企業負担で医師の診察を受けたいとか環境の変化を求める等の理由で本人が企業側へ申し出た時だけなのである。

つまり、社員からの自己申告がない限り、企業はその兆候を知ることはできず、心の病に対する理解が低い今の日本では申告すること自体が非常に勇気のいることになる。会社に申し出た為に昇進、昇格はおろか現業務から外されるのではないか?と思って申告できない人が大半のはずだ。つまり今回のメンタルヘルスチェックの制度は社員自分自身が心の不調の警告を知ることに留まるような気がする。ただ客観的にそれが分かるようになるのも前進だろう。

アメリカではメンタルでの悩みを自分の中に閉じ込めずに、実にオープンに話す傾向があり、セラピーにかかるのも抵抗ない人が多い。今回の制度スタートを機に日本人のメンタルのマネジメントが身近になって、その不調を癒す習慣が浸透すれば良いと思う。

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