プロねた。
Vol.076

賃金カーブ

2012年12月20日
担当
福良 英基

転職を試みる際、気をつけるべきことのひとつに、”入社時の給与額”だけに目を向けてはいけないということがある。

特に年収アップが転職の目的だった場合に陥りがちなのだが、37歳で現年収が700万円で転職先候補からもらった初年度年収のオファー額が800万円だとしたら、一見、成功転職に思える。ただ、重要なのはその後の賃金カーブの上昇率にある。転職先候補の賃金上昇率が鈍い場合は、現職との年収にいずれ逆転現象がおきて生涯賃金は転職していない方が良かった・・・、なんてことになりかねない。

給与にこだわった転職をするという方は、よくよく現職と転職先の給与制度の仕組みや年齢別のモデル賃金などを比較して生涯年収を算出してみることをおすすめする。40代以降の賃金上昇率は大手企業がより高い傾向にあって、その為に30代までは低く抑えられていることも少なくないので、大手から中小へ転職する場合は特に注意が必要である。

ただ、一方で賃金カーブのあり方自体を見直す大手企業も増えて来た。例えば、NTTグループは15日、定年に達した社員を65歳まで継続雇用する給与原資の確保に向け、現役世代の人件費上昇を抑える新賃金制度を2013年秋に導入することを明らかにした。主に40~50歳代の社員の平均賃金カーブの上昇を抑制するのが柱だという。サラリーマンの労働年数は少子高齢化の影響をうけ、ますます長くなる。これまでは定年退職していた世代の賃金をまかなう為には、賃金カーブの上昇率が高い40~50代の賃金をカットしていくという流れが大手企業では主流になる可能性が高く、この辺りの動きもしっかりとチェックすると良いだろう。

40~50代と言えば、教育費や住宅ローンなど、人生で最もお金のかかる時期なだけに、当人にとっては痛手である。先のことはわからないから、若いうちに稼げるだけ稼いでおこうという考え方もひとつ。しっかりと比較したうえでそういう結論になったのであれば後悔は無いと思うので、どちらにしても出来るだけ情報は入手していただきたいと思う。

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